こま凧の作り方

こま凧は日本の伝統凧の一つで、形が昔の子供たちの遊び道具のこま（独楽）に似て
いることから付けられた名前です。尾を付けなくても安定して揚がるので凧作り教室
などで作るのにとても適していて、私も何度もこの凧作りを指導しているお勧めの凧
です。

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   ■製作の準備：
     　型紙を作る
     　　凧作り教室の場合には、型紙を使いますが、１枚だけ凧を作る場合の型紙には
     　　厚紙で作るまでもありませんが、新聞紙を折って左右対称になるように形を決
     　　めておき、型紙にすると失敗は少なくなります。古新聞ででも型紙を作成する
     　　ことを推奨します。
       和紙を貼りつなぐ
       　通常の和紙の場合、次の図のように切断し、切った部分を移動して貼って
       　つなげます。

   ■こま凧製作の手順：
   　�@凧絵を描く
   　  　和紙に凧面に使用する部分の外郭線を引いてその中に絵を描きます。
       　和紙には表裏があり（表の方が滑らか）、絵は表に描きます。
   　　　水性の絵の具で絵を描いた和紙は乾いてから�Bの手順で使います。
   　�A竹骨の切断
 　　　−　横骨（３ミリの竹ひご）は左右のバランスが重要です。左右が同じように
   　　　　曲がる竹ひごを選んで使用します。
 　　　−　横骨は次の図のように節を中心にするか、２つの節の真ん中を中心にして、
 　　　    中央に印を付け、中央から左右とも345ミリの長さで竹ひごを切り取ります。

　　　 −　竹ひごの切断には薄葉のこぎりまたはペンチを使用します。
 　　　−　縦骨は割竹を840ミリの長さに切断します。横骨のような配慮は不要です。
　   �B和紙を切断する
　   　　絵を水性の絵の具で描いたときには、乾いてから型紙を当てて凧の寸法を
   　　　描いてカッターで切り出します。
   　�C縦骨を凧面に貼る
   　　　凧面を裏側にして置き、左右の中心線上に、上下に20ミリずつ出るように貼り付け
   　　　ます。木工ボンド（または糊）を付けるのは皮側、肉側のいずれでも結構です。
   　�D２本の横骨を凧面に貼る
     　　横骨を弓状に反らせて、その反った外側の面に木工ボンド（または糊）を付けて
   　　　凧面の裏側に当たるように（反りがスムースになるように）貼り付けます。
     　　左右両側は凧面の糊しろに木工ボンド（または糊）を付けて、横骨を包むように
      　 貼り付けます。
   　�E糊しろを折り返して貼り付ける
   　　　上下の三角形の部分と中央両側の糊しろを折り返して貼り付けます。

　   �F補強と固定
   　　　切り捨てた和紙から約30ミリ角の四角い紙を12枚切り取り、縦骨の3〜４箇所
   　　　（上下端と中間１〜２箇所）で縦骨と凧面がしっかり貼り付くように補強します。
         同様に、横骨の4箇所（左右の端と上下の三角形部分が始まる2箇所）に
         ついても四角い補強の紙を貼り付けます。また、上の横骨と縦骨の交点を
         凧糸でしばって固定します。
         下の横骨は、「�H糸目糸を付ける」の手順で固定されるので今は不要です。
         補強の紙を貼る箇所を下の図に示します。

　　 �G反り糸を付ける

         凧の裏側で横骨の両端に 10 ミリ出ている部分に凧糸を緩まないように、
         また反りが出ない程度にしばります（横骨の 2 本とも）。これは、凧を
         揚げるときに、この糸を２〜3回巻き付けて凧面を後ろに反らせるための
         ものです。揚げないときには巻き戻して反りをなくし凧を平らに戻します。
     �H糸目糸を付ける
     　　糸目糸の長さは、上の2本が各800ミリ、下の１本は約900ミリにします。
     　　糸目糸を取り付ける位置と糸目の中心の位置を次の図で示します。

　　　   糸目に中心が縦骨と上横骨の交点から130ミリ下になるように糸目糸の長さを
　　　   調節します。
     �I凧揚げの準備
     　　こま凧の場合、反りの深さを80〜120ミリ（風が強いほど反りを深く）にします。
     　　上の反りよりも下の反りをやや深くします。尾は不要です。揚げ糸を付けます。
   ■3本糸目の調整方法：
    　凧がよく揚らないときには、調整します。調整は風の強さによっても異なります。
    　調整箇所は糸目、反り、尾の３つです。
    　−　糸目
      　　　糸目の中心の位置はおおむね、決まっていますが、その日の風の具合で調整
            が必要です。
      　　　・　凧が揚がらないときは、糸目の中心を少し上げます（上げ過ぎると凧は
                回転するようになる）。
      　　　・　凧がくるくる回るときは、糸目の中心を少し下げます（下げ過ぎると
                凧は揚がらなくなる）。
      　　　・　くるくる回るまでは行かないが凧がどちらかに傾くときは、傾く方の
                反対側の糸目糸を短くします（右に傾くときには左の糸目糸を短くし、
                左に傾くときは右の糸目糸を短くする）。糸目糸を束ねているところを
                ほどいて短くする側の糸を少し短くして束ね直します。
      −　反り
        　　前述のように風が強いほど反りを深くします。
      −　尾
        　　こま凧は、適切に作られていれば尾がなくても糸目と反りの調整だけで安定
            して揚げることができます。しかし、糸目と反りの調整だけで安定して揚げ
            られなくなった（糸目の中心をそれ以上下げればもう揚らなくなっているの
            に、凧はまだ安定していない）には、尾を付けて回転を止めます。
            尾は約50ミリ幅の尾を付けて安定させます。尾の長さは１メートルから
            始めて、それでも安定しなければ、尾を1メートルずつ長くしていきます。
            
                                                                 以上