角凧は、埼玉県庄和町、新潟県白根、神奈川県相模原などの大凧から江戸角、津軽凧など、 さらにミニ凧にいたるまで日本各地にさまざまなサイズの、骨組みの異なる角凧が伝統凧 として存在しています。 ここでは、市販の竹材を使用して1日(5時間程度)の凧作り教室で製作できる凧として 竹骨6本、4本糸目の角凧の作り方を説明します。 凧面には和紙を使用しており、本格的な絵凧や字凧にもなります。 丁寧に製作すれば、尾なしでも安定して揚げられますが、不安定ならば、尾を付けて あげてください。
■角凧の形と寸法:
■使用材料 割り竹: 厚さ2ミリx 幅5ミリ x 長さ900ミリを6本 (横骨3本、縦骨1本、斜め骨2本) 面材料: 和紙 (600 ミリ x 800 ミリ程度) 1枚 無地の障子紙を使用することもできます。 凧糸: 木綿糸4号(反り糸と糸目糸に使用) 麻糸ならばさらによい。 木工ボンド:骨に凧面を貼るため 染料など:凧絵や字をかくため 工具類:のこぎり(できれば薄葉の)、カッターナイフ ■製作の手順 @ 型紙を作る 凧を寸法に合わせて正確に作るためには、あらかじめ厚めの紙で型紙を作っておく ことを推奨します。型紙に正確に図を描き、それに合わせて凧を製作することが 左右のバランスのとれたよく揚る安定した凧を製作するための第一歩です。 A 凧面を切り取る 和紙から530 x 730 ミリを切り取ります(凧面サイズ500 x 700の上下左右に15 ミリの折り返し代をとる)。 B 凧面に絵や字をかく 和紙に凧面に使用する部分の外郭線を引いてその中に絵を描きます。 和紙には表裏があり(表の方が滑らか)、絵は表に描きます。 水性の絵の具で絵を描いた和紙は乾いてから次の手順で使います。 C 3本の横骨を切断する。
横骨は左右均等に曲がる必要があります。竹ひごを反らせてみて、反りが 左右均等に曲がる割り竹を選択します。 割り竹の節を中央にするか、2つの節の真ん中を中央にし、そこに印を付け、 中央から左右とも265ミリの長さで切り取ります。 切断には、薄葉のノコギリ(または代替品)を使用します。 D 縦骨を切断する 1 本の縦骨を730ミリの長さに切ります(縦骨は、まっすぐならば曲がり方 は均等でなくてもよいが、同じサイズの割り竹でもなるべく太め、厚めの丈夫な 割り竹を選ぶ)。 E 斜め骨を切断する 875ミリの長さの2本の斜め骨は左右のバランスが取れるようにすることが大事 です。そのため、太さ、厚さが同じような、節も同じような位置に取れる割り竹を 選び、割り竹の反り方が同じようになるようにします。
F 縦骨と斜め骨の上端を割く 縦骨と斜め骨の上端になる方を横骨を挟み込めるようにカッターナイフで 厚さが1ミリずつになるように深さ10ミリ程度割きます。 割いた端が凧の上側になるように印しを付けておきます。 G 縦骨を凧面に貼り付ける 凧面の和紙は上下左右に折り返し代があることを考慮し、凧面の裏面に中心線を 引き、その中心線上に肉側に木工ボンドを塗った縦骨を置きます(Fで付けた 印しで上側を確認して)。 凧面の表側からもよく押さえて縦骨が凧面に密着するようにします。 H 3 本の横骨を凧面に貼り付ける 3 本の横骨の皮側に木工ボンドを塗って、凧面の裏側の所定の位置に縦骨の中心線 上に横骨の中央がくるように置き、凧面に固定します。 その際、一番上の横骨(天骨という)はFで割いた縦骨の上端の割け目に挟み込み ます。凧面の表からも押さえつけて横骨と凧面を密着させます。 I 斜め骨を凧面に貼り付ける 2 本の斜め骨の皮側に木工ボンドを塗って、凧面の裏側の所定の位置に縦骨と横骨 の上から置き、凧面に固定します。 その際、斜め骨もFで割いた斜め骨の上端の割け目に挟み込みます。凧面の表から も押さえつけて斜め骨と凧面を密着させます。 J 折り返し代を折り返す 凧面の上端の折り返し代に木工ボンドを塗って天骨を巻き込むように貼ります。 折り返し代から骨が付き出る部分には切り込みをいれて、それ以外の部分の折り 返し代に木工ボンドを付けて左右と下端を折り返します。 K 骨の凧面への接着の補強 各骨の両端や適当な間隔での中間点で、一辺40ミリ角の和紙に木工ボンドを塗って 骨が凧面から剥がれないように貼り付けます。 L 斜め骨の交点をしばる 2 本の斜め骨と縦骨の交点で3本の骨をしばって固定します。 M 糸目糸を付ける 次の図を参照して糸目糸を取り付けます。糸目の中心は中間の横骨の下、約35ミリ になります。
N 反り糸を取り付ける 反り糸は骨を反らすことなく、また緩むことのないように張ってしっかり3本の 横骨の両端に取り付けます。凧を揚げるときに、反り糸を横棒の端に3回位巻き つけて横骨を後ろに弓状に反らします。 O 必要な場合、尾を付ける 試し揚げで不安定な場合には、和紙などで2本の尾を作り凧の下端に付けます。 丁寧に製作してあれば尾を付けなくても安定して揚ります。 以上
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